臨機応答・変問自在2 森博嗣
記憶に残る、2人目の先生の話をしよう。
予備校の古文の非常勤講師で、どのかの短大の教授だったと思う。
なにしろ、授業が面白く、ぐいぐい、引き込まれた。
何が面白いと言って、先生自身が古文の面白さに憑りつかれていて、いかに面白いかを生徒に訴えかけるのである。
その熱弁ぶりに、圧倒されながら、90分の授業はあっという間に、過ぎていく。
本当に学問が好きな人、先生ではなくて、学者といえる人に会ったのは、初めてのような気がする。
古文の点数が上がったのは、言うまでもないことである。
こういう先生に、高校までで出会っていたら、人生の進路は変わったかもしれない。
好きこそ、ものの上手なれ。