SUZUKI GT250

大学3年生も終わるころ、卒業する先輩から、譲り受けた。

 

セルのない、左キックの、ステップも鉄棒のような、2サイクルであった。

 

夏休みに突然、思い立って、後輩を誘い、タンデムで、青森から岐阜まで、1週間くらいのツーリングにでかけた。

 

二人乗りなので、もちろん、下道をひたすら南下していったのであるが、山形で前を走る軽トラが、右にウインカーを出しながら左に曲がるという、想像できない動きをしたため、軽く接触した。

 

オジサンが平謝りだったので、こちらも、車体にちょっと、キズが付いただけだったので、そのまま、別れることになった。

 

それから、数十分して、ふとした時に、スピードメーターが機能していないことに気が付いた。まあ、仕方ない。

 

友人に1万円を借りて、出発した貧乏旅行だったので、基本は空き地に、テントを張って宿泊。

 

1日だけ、テントを張る前に、土砂降りの雨に見舞われ、草津温泉の安宿に泊まったのも、なつかしい思い出である。

 

上高地梓川畔のキャンプ場に泊まり(その頃はまだ、マイカーの乗り入れができた)、翌朝に川に入ったら、あまりの冷たさにびっくりした。

 

お金が残り少なくなったので、それ以上の南下はあきらめ、日本海側を北上し、最終日に十和田湖近辺の峠道で、カーブを曲がり切れず、ステップが路面に引っ掛かり、転倒。

 

左腕に大きな擦り傷を負い、今でもその痕が残っているが、後ろに乗っていた後輩はまったくの無傷という、奇跡的な強運であった。

 

このバイクも卒業とともに、後輩に受け継がれていった。

 

 

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